節税するなら法人がだんぜん有利?法人化(法人成り)か個人事業を継続するかの分岐点

節税するなら法人がだんぜん有利?法人化か個人事業を継続するかの分岐点20120622_17_03

節税するなら法人がだんぜん有利?法人化か個人事業を継続するかの分岐点

 

【ジャンル】
法人税 所得税

【タイプ】
即効型・出金なし

 

よく、『自分で事業を始めるとき、個人事業としてやった方がいいのか、それとも法人化した方がいいのかという選択に悩みます』といった相談が結構あります。

そこで今日は、法人化と個人事業の長所や短所について、考えてみましょう。

 

まず、法人を設立するためには、定款を作成して届ける必要があります。
素人にはなかなか難しい手続きで時間もかかるため、司法書士などのプロに任せることになりますが、費用はおよそ25~30万円程度です。

よほどの知識がない限り、定款の作成から法人登記までの手続は、プロに任せた方が得策です。

あらかじめフォーマットが決まっているため、司法書士に頼めば簡単で時間短縮もできるうえ、電子認証が使えるので、費用が一部安く済みます。

 

自分で法人の登記をしても、ほとんど節税、節約になりません。

 

何より創業時は、そういったことに時間を費やすのではなく、他にもしなければいけないことはたくさんあるはずです。

また、法人にはこのような設立費用がかかるほか、たとえ赤字でも毎年、法人住民税(地域にもよりますが、都道府県民税と市町村民税合わせて6~8万円程度)の均等割が発生します。

 

ここまで聞けば法人化にするメリットがないように思われるかも知れません。
しかし、あまり経費のかからない業種(知的サービスの提供など)では、法人化が節税などに有利な場合もあります。

 

次に、一般的に法人化が節税対策になるという事例をご紹介します。

 

たとえば、仮に売上が350万円、経費が50万円としましょう。

個人事業をしていた場合、確定申告の『所得』というのは、収入から経費を引いたもので、その金額に税率をかけて税額を算出します。

 

①単純に計算すれば、個人事業の場合は、利益である300万円が所得となります。

②法人の場合、300万円を役員報酬として払うことにします。

 

法人の場合は、もちろん利益は0円になるので、法人税の納付は都道府県民税と市町村民税の均等割分のみとなります。

一方、あなたの『給与収入』は300万円ですが、給与にも『一定の経費』が認められています。

たとえば、給与の経費の計算は、自動的に収入に式を当てはめて求めることになっており、300万の場合は108万円。

すると192万円が所得となります(別途、住民税はかかります)。

 

これに対して、個人事業(事業所得で確定申告した場合)では、300万円の所得に課税されます(実際には、ここから各種控除を引いた課税所得に課税されます)。

 

節税するなら法人がだんぜん有利なのかどうか?
法人化か個人事業を継続するかの分岐点をまとめると、、、

↓ ↓

☑法人の代表者として役員報酬を受け取るなら192万円の所得税(別途、住民税はかかります)。

☑個人事業なら300万円の事業所得。

 

いかがでしょうか?

このように、利益が出ていて経費の少ない業種の場合は、法人化が所得税の節税につながるので、個人事業からの法人化は検討する余地はあります。

今回は、個人の所得税、事業所得の比較についての節税をお話しましたが、法人化するとほかにもたくさんの節税政策があります。

それはまた次の機会にお話しますね。

 


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